-ささやかな胡桃パン-

『海外文学』と日々のたわいもないノート

イタリア文学

文学的ヒューマンサスペンス『ダマセーノ・モンテイロの失われた首』アントニオ・タブッキ

(相変わらず適当な絵) 実際にあった事件をモチーフにしたタブッキの『ダマセーノ・モンテイロの失われた首』(1997)。ダマセーノ・モンテイロ通りってのが昔タブッキが住んでいたところにある(あった?)らしい。 人道主義・博愛主義をヒューマニズムっていう…

芸術家たちとの夢遊『夢のなかの夢』アントニオ・タブッキ

普段あんまり夢って見ない。きっと忘れてるだけなんだろうけど。妻は朝起きるたびに、見た夢の話をする。僕はそれにぼんやり耳を傾け妻の心を聞く。 夢っていうのはいつも支離滅裂で断片的だけど、そこに何かしらの真実が隠されているような気がする。だから…

行ってみたいねアソーレス『島とクジラと女をめぐる断片』アントニオ・タブッキ

ポルトガルより遥か西。 (注:左上はリスボンにあるペソアの像だよ) まさにタイトルそのままの、「島とクジラと女をめぐる断片」の重なり。原題そのままだと「ピム港の女」らしいけど、訳者の須賀敦子さんがこんな想いで『島とクジラと女をめぐる断片』とした…

不安定な世界を死者と漂うミステリのふりをした後悔/『イザベルに ある曼荼羅』アントニオ・タブッキ

おおいぬ座の最輝星シリウスからやってきたという男が、ある女性を探し求めて彼女と関わった人たちの記憶を頼りに、ポルトガルからマカオ、スイスアルプスへと世界各地をふわり漂う。 イザベルに: ある曼荼羅作者:アントニオ タブッキ発売日: 2015/03/25メデ…

包み隠された何か/『ヌメロ・ゼロ』ウンベルト・エーコ

イタリア文学 ウンベルト・エーコ Umberto Eco 『ヌメロ・ゼロ』(2015) ヌメロ・ゼロ (河出文庫 エ 3-1)作者:ウンベルト・エーコ発売日: 2018/11/06メディア: 文庫 エーコの遺作。 エーコの陰謀 自分は自分で 海外文学で学ぶ エーコの陰謀 人間の記憶という…

『月を見つけたチャウラ』ルイジ・ピランデッロ

イタリア文学 ルイジ・ピランデッロ Luigi Pirandello 『月を見つけたチャウラ』(1902〜36) 月を見つけたチャウラ?ピランデッロ短篇集? (光文社古典新訳文庫)作者: ピランデッロ出版社/メーカー: 光文社発売日: 2013/12/20メディア: Kindle版この商品を含む…