-ささやかな胡桃パン-

『海外文学』と日々のたわいもないノート

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

シャルロッテ・サロモンによって彩られた僕の記憶すなわち人生『シャルロッテ』ダヴィド・フェンキノス

(画:ささやかな胡桃パンの人) 最近は文章よりも絵を描くのが楽しくて、毎日何かしら描いている。別に絵画とかに詳しいわけではないんだけど、好きな画家とかはいたりもする。クレーとかミロとか。エゴン・シーレとか萬鉄五郎とか。ただの感覚的好み。何でっ…

文学という真剣な遊び『地下鉄のザジ』レーモン・クノー

(画:ささやかな胡桃パンの人) 原文で読んでみたいね、やっぱり。クノーを読んだのは初めてだったんだけど、この『地下鉄のザジ』はハチャメチャ喜劇でめちゃくちゃ面白かった。ほんと単純に。でも読みどころはそこ(だけ)ではなくて、それをもっと楽しむため…

文学的ヒューマンサスペンス『ダマセーノ・モンテイロの失われた首』アントニオ・タブッキ

(相変わらず適当な絵) 実際にあった事件をモチーフにしたタブッキの『ダマセーノ・モンテイロの失われた首』(1997)。ダマセーノ・モンテイロ通りってのが昔タブッキが住んでいたところにある(あった?)らしい。 人道主義・博愛主義をヒューマニズムっていう…

ちょっと変でやっぱ散文

気分屋というのもあって、なかなか自分の文体というのが定まらない。自分のブログを読み返してみるとよくわかる。 最近は「〜である」とか「〜だ」をなるべく使わないようにしていて、結構気に入っている。でもこれもまたそのうち飽きるんだろう。ずぅっと同…

芸術家たちとの夢遊『夢のなかの夢』アントニオ・タブッキ

普段あんまり夢って見ない。きっと忘れてるだけなんだろうけど。妻は朝起きるたびに、見た夢の話をする。僕はそれにぼんやり耳を傾け妻の心を聞く。 夢っていうのはいつも支離滅裂で断片的だけど、そこに何かしらの真実が隠されているような気がする。だから…

行ってみたいねアソーレス『島とクジラと女をめぐる断片』アントニオ・タブッキ

ポルトガルより遥か西。 (注:左上はリスボンにあるペソアの像だよ) まさにタイトルそのままの、「島とクジラと女をめぐる断片」の重なり。原題そのままだと「ピム港の女」らしいけど、訳者の須賀敦子さんがこんな想いで『島とクジラと女をめぐる断片』とした…